健康保険法

【療養費】 (87条)

【問題】被保険者が療養の給付若しくは入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給に代えて療養費の支給を受けることを希望した場合、保険者は療養の給付等に代えて療養費の支給をしなくてはならない。
(平成24年 問6B)
【解答】×
【解説】(法87条1項)
■療養費は「被保険者が療養費の支給を受けることを希望した場合」に支給されるものではい。
・療養の給付等を行うことが困難である場合
・保険者がやむを得ないと認める場合


【問題】柔道整復師が保険医療機関に入院中の患者の後療を医師から依頼された場合の施術は、当該保険医療機関に往療した場合、患者が施術所に出向いてきた場合のいずれであっても、療養費の支給対象とはならない。
(平成22年 問2B)
【解答】○
【解説】(法87条、平成9年4月17日保険発57号、平成22年5月24日保医発0524第3号)

■設問のとおり正しい。

■保険医療機関に入院中の患者に対して、柔道整復師が施術をしても療養費の支給対象とはならない。


【問題】交通事故等のやむを得ない理由により保険診療を行わない医療機関で診療を受けた場合の療養費の額は、当該療養に要した費用の額から一部負担金の額を控除した額及び食事療養又生活療養に要する費用から食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額で統一されている。
(平成17年 問8C)
【解答】×
【解説】(法87条2項)
実際に療養に要した額のうち、療養の給付等の範囲外とされているものを除いて療養費の額が算定される。
具体的には、健康保険法の規定による「療養に要する費用の額の算定方法」により算定した療養(食事療養及び生活療養を除く)についての費用の額(その算定額が実際に療養に要した費用の額を上回る場合は、実際に療養に要した額)から、一部負担金相当額を控除した額を標準として保険者が定めることになる。
また、入院時の食事療養及び生活療養を受けるべき場合には、「入院時食事療養費に係る食事療養及び入院時生活療養費に係る生活療養の費用の額の算定に関する基準」により費用の算定を行い、その額から食事療養標準負担額相当額又は生活療養標準負担額相当額を控除した額を標準として保険者が定めることになる。

■「当該療養に要した費用の額から一部負担金の額を控除した額及び食事療養又生活療養に要する費用から食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額で統一されている」の箇所が誤り。

 


【問題】療養費の額は、現に療養に要した費用の額から、一部負担金に相当する額及び食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額である。(一部改正)
(平成15年 問9B)
【解答】×
【解説】(法87条2項)
療養費の額は、療養(食事療養及び生活療養を除く。)について算定した費用の額から一部負担金相当額を控除した額及び食事療養又は生活療養について算定した費用の額から食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額を基準として、保険者が定めることになっている。
よって、「現に療養に要した費用の額から、一部負担金に相当する額及び食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額」とした問題文は誤りである。


【問題】事業主の資格取得届の提出が遅れたため、まだ被保険者証が交付されていない間に治療を受けた場合は、保険給付の対象とはならない。
(平成18年 問3D)
【解答】×
【解説】(法87条、昭和3年4月30日保理発第1089号)
被保険者が保険医について診察を受けた当時、事業主が資格取得届を懈怠していたため、当該被保険者は保険医に対し被保険者たる身分を証明し得ない状態にあったことは、法87条(療養費)の療養の給付等を行うことが困難であると認めるときに該当するとされている。
よって、問題文の場合は療養費の対象となり、「保険給付の対象とはならない」とした問題文は誤りとなる。


【問題】被保険者が柔道整復師の施術を受ける必要があるときは、療養費が支給される。
(平成15年 問9D)
【解答】○
【解説】(法87条1項、昭和18年3月30日保発第796号)
被保険者又は被扶養者が、柔道整復師の手当を受ける必要があるときは、療養費又は家族療養費を支給するとされている。


【問題】手術にともない輸血を受ける場合、保存血については療養の給付として現物給付されるが、輸血の場合の血液料金は療養費として給付される。
(平成16年 問4B)
【解答】○
【解説】(昭和14年5月13日社医発第336号)
■「輸血の場合」の血液料金⇒療養費として支給

■「保存血」⇒現物給付。


【問題】あんま、はり、きゅうに係る健康保険の初回の療養費支給申請については、緊急その他やむを得ない場合を除いては、医師の同意書または診断書を添付する必要がある。
(平成17年 問4C)
【解答】○
【解説】(法87条1項、昭和25年1月19日保発第4号)
■設問のとおり正しい。


【問題】緊急疾病で、他に適当な保険医がいるにもかかわらず、好んで患者が保険医以外の医師から診療や手当を受けたときには、療養費が支給されない。

(平成19年 問9E)
【解答】○
【解説】87条1項、昭和24年6月6日保文発第1017号)

■設問のとおり正しい。

■療養費は⇒保険者が療養の給付等を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所、薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを得ないものと認めるときは

⇒療養の給付等に代えて、療養費が支給される。 


【海外への療養費】

【問題】現に海外にある被保険者からの療養費等の支給申請は、原則として、事業主等を経由して行わせるものとし、その支給決定日の外国為替換算率(売レート)を用いて算定した療養費等を保険者が直接当該被保険者に送金することになっている。
(平成21年 問6C)
【解答】×
【解説】(法87条1項、昭和56年2月25日保険発第10号・庁保険発第2号)
■海外にある被保険者に支給される療養費は、事業主が代理受領して被保険者に送金。

保険者は国外への送金は行なわない。 

■海外における療養費等の支給額の算定に用いる邦貨換算率⇒その支給決定日の外国為替換算率(売りレート)を用いる。


【問題】被保険者又は被扶養者が海外の病院等において療養等を受けた場合に支給される海外療養費は、療養を受けた日の外国為替換算率を用いて算定する。
(平成18年 問3C)
【解答】×
【解説】(法87条、昭和56年2月25日保険発第10号・庁保険発第2号)

■「療養を受けた日の外国為替換算率を用いて算定」⇒「支給決定日の外国為替換算率(売レート)を用いて算定」にすれば正しい。


【問題】海外出張中の被保険者が海外の病院で療養を受けた場合、その療養費の支給申請は事業主を経由して行い、事業主が代理受領することになっており、また、支給額の算定に用いる邦貨換算率は、支給申請日における外国為替換算率を用いる。
(平成14年 問3C)
【解答】×
【解説】(昭和56年2月25日保険発第10号・庁保険発第2号)
現に海外にある被保険者からの療養費等の支給申請は、原則として、事業主等を経由して行わせ、その受領は事業主等が代理して行うものとし、国外への送金は行わないとされている。
なお、療養費等の受領が事業主又は事業主の代理人に委任された場合は、当該療養費等の授受の状況を明らかにしておく必要がある。
また、海外における療養費等の支給額の算定に用いる邦貨換算率は、その支給決定日の外国為替換算率(売レート)を用いることになっている。
よって、「支給申請日」の外国為替換算率を用いて支給決定するとした問題文は誤りである。


【問題】海外にいる被保険者及び被扶養者が海外の医療機関で療養等を受け、事業主を経由して療養費の支給申請があった場合、保険者からの療養費の支給は送料を差し引いた金額が被保険者に送金される。
(平成13年 問4C)
【解答】×
【解説】(昭和56年2月25日保険発第10号・庁保険発第2号)
■現に海外にある被保険者からの療養費等の支給申請⇒原則として、事業主等を経由して行わせ、その受領は事業主等が代理して行うものとし、国外への送金は行わない。
■海外における療養費等の支給額の算定に用いる邦貨換算率⇒その支給決定日の外国為替換算率(売レート)を用いる。