令和2年 厚生年金保険法 選択式 解説

厚生年金保険法の選択式を解説していきます。

★★★…優しい問題。必ず得点を上げる必要あり。

★★…やや難問。

★…未知の問題。

 

(厚生年金保険法 総評)

【 A 】

【 B 】

【 C 】

【 D 】

【 E 】

★★★

★★★

★★★

★★

★★

 

〔問  7〕 次の文中の の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

1 厚生年金保険法第 31 条の 2 の規定によると、実施機関は、厚生年金保険制度に対する【 A 】 を増進させ、及びその信頼を向上させるため、主務省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとするとされている。

 

2 厚生年金保険法第 44 条の31 項の規定によると、老齢厚生年金の受給権を有する者であってその【 B 】 前に当該老齢厚生年金を請求していなかったものは、実施機関に当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができるとされている。ただし、その者が当該老齢厚生年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付(他の年金たる保険給付又は国民年金法による年金たる給付(【 C 】 を除く。)をいう。)の受給権者であったとき、又は当該老齢厚生年金の B までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは、この限りでないとされている。

 

3 厚生年金保険法第 78 条の21 項の規定によると、第 1 号改定者又は第 2 号改定者は、離婚等をした場合であって、当事者が標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき【 D 】 について合意しているときは、実施機関に対し、当該離婚等について対象期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定を請求することができるとされている。ただし、当該離婚等をしたときから【 E 】 を経過したときその他の厚生労働省令で定める場合に該当するときは、この限りでないとされている。

 

■選択肢

1年  ②2年  ③3年   ④6か月

⑤按分割合   改定額  ⑦改定請求額   改定割合

⑨国民の理解   受給権者の理解

⑪受給権を取得した日から起算して1か月を経過した日

⑫受給権を取得した日から起算して1年を経過した日

⑬受給権を取得した日から起算して 5年を経過した日

⑭受給権を取得した日から起算して 6か月を経過した日

⑮被保険者及び被保険者であった者の理解  ⑯被保険者の理解

⑰付加年金及び障害基礎年金並びに遺族基礎年金

⑱老齢基礎年金及び障害基礎年金並びに遺族基礎年金

⑲老齢基礎年金及び付加年金並びに遺族基礎年金

⑳老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金

 

(解答)

A:(9)国民の理解

B:(12)受給権を取得した日から起算して1年を経過した日

C:(20)老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金

D:(5)按分割合

E:(22

 

 

それでは、【 A 】からです。

1 厚生年金保険法第 31 条の 2 の規定によると、実施機関は、厚生年金保険制度に対する【 A 】を増進させ、及びその信頼を向上させるため、主務省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとするとされている

 

■選択肢

⑨国民の理解   受給権者の理解

⑮被保険者及び被保険者であった者の理解  ⑯被保険者の理解

 

3行目以降に、「被保険者に対し、…通知するものとされている。」ということで、

⑯「被保険者の理解」と迷うところですが、⑨「国民の理解」が正解です。

 

国民年金法にも「被保険者に対する情報の提供」の規定があり、内容は同じです。

 

厚生年金保険法31条の2

(被保険者に対する情報の提供)

国民年金法14条の5

(被保険者に対する情報の提供)

実施機関は、厚生年金保険制度に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、主務省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとする。

厚生労働大臣は、国民年金制度に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとする。

 

合わせて、平成22年 国民年金法 問2-Bの選択式で、14条の5の規定が出題されています。

厚生労働大臣は、国民年金制度に対する国民の理解を増進させ、その信頼を向上させるため、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者及び受給権者に対し、被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとする。

(×)「被保険者及び受給権者に対し」⇒「被保険者に対し」

 

次に【 B 】【 C 】に進みます。

2 厚生年金保険法第 44 条の31 項の規定によると、老齢厚生年金の受給権を有する者であってその【 B 】 前に当該老齢厚生年金を請求していなかったものは、実施機関に当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができるとされている。ただし、その者が当該老齢厚生年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付(他の年金たる保険給付又は国民年金法による年金たる給付(【 C 】 を除く。)をいう。)の受給権者であったとき、又は当該老齢厚生年金の B までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは、この限りでないとされている。

 

44条の3の「支給の繰下げ」からの出題です。

基本的な内容で、択一式でも頻繁に出題されている論点です。

 

 

(早回し過去問論点集より)

最後に【 D 】と【 E 】に移ります。

合意分割からの問題で、頻出の個所です。

3 厚生年金保険法第 78 条の21 項の規定によると、第 1 号改定者又は第 2 号改定者は、離婚等をした場合であって、当事者が標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき【 D 】 について合意しているときは、実施機関に対し、当該離婚等について対象期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定を請求することができるとされている。ただし、当該離婚等をしたときから【 E 】 を経過したときその他の厚生労働省令で定める場合に該当するときは、この限りでないとされている。

正解は、D:(5)按分割合  E:(22

 

 

(早回し過去問論点集より)

■平成29年 選択式にも同様の個所から出題されています。

厚生年金保険法第 78 条の 2 の規定によるいわゆる合意分割の請求は、離婚等をした日の翌日から起算して 2 を経過したときは、原則として行うことはできないが、離婚等をした日の翌日から起算して 2 を経過した日前に請求すべき按分割合に関する審判の申立てがあったときであって、当該按分割合を定めた審判が離婚等をしたときから 2 年を経過した後に確定したときは、当該確定した日【 D 】を経過する日までは合意分割の請求を行うことができる。

また、合意分割で請求すべき按分割合は、当事者それぞれの対象期間標準報酬総額の合計額に対する、【 E 】の範囲内で定められなければならない。

D:の翌日から起算して 1

E:第 2 号改定者の対象期間標準報酬総額の割合を超え 2 分の 1 以下

 

                             (了)

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