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受動喫煙に関して 安衛法と労災法

受動喫煙について

今回は、受動喫煙に関する内容です。

社会保険労務士試験には、受動喫煙に直接絡む法律が2か所あります。

 

1つは、労働安全衛生法(法68条の2)(平成2761日 改正)

事業者は、労働者の受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するため、当該事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

POINTは、努力規定ということです。

 

もう一つは、労働者災害補償保険法の「受動喫煙防止対策助成金」。

 

助成金というのは、雇用保険法の雇用保険2事業(雇用安定事業と能力開発事業)というイメージですが、「受動喫煙防止対策助成金」に関しては、労働者災害補償保険法の社会復帰促進等事業として創設されています。(平成23年創設)

 

社会帰促進等事業は、社会復帰促進事業、被災労働者等援護事業、安全衛生確保等事業の3種類ありますが、「受動喫煙防止対策助成金」は、安全衛生確保等事業の1部の事業になります。

 

「受動喫煙防止対策助成金」:労働者の健康を保護する観点から、事業場における受動喫煙を防止するための効果的な措置を講じた事業主に対して助成

 

 

次に、健康増進の観点に加え、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、

受動喫煙対策を強化する改正「健康増進法」が2018年7月に成立しています。

 

健康増進法(受動喫煙の防止)25条

学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

 

POINTは、労働安全衛生法と同様に努力規定になっていますが、多くの人が利用する施設の屋内を原則禁煙にし、違反者には罰則も適用する内容で今後、段階的に施行し東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月に全面施行の予定です。

 

 

 

最後に2つ。

受動喫煙に関する国の基本的な考え方と平成30年9月公表の厚生労働省の調査結果

 

●基本的な考え方(厚生労働省リーフレット)

健康増進の観点に加え、2020年の東京オリンピック・パラリンピック等を契機に、日本の受動喫煙防止対策をオリンピック開催国と同等の水準とするため、従来の努力義務よりも実効性の高い制度とする。

○ イギリス型のスモークフリー社会を目指しつつ、今回、日本の現状を踏まえながらも受動喫煙防止対策の歴史的第一歩を踏み出し、日本の「スモークフリー元年」を確実に実現するため、イギリスと韓国の混合型の制度を導入する。

 

●平成30年9月公表の厚生労働省の調査結果

(平成29年11月、製造業や飲食業、宿泊業など民間の約1万4千事業所に約1万8千人分の調査票を送り、約1万人から回答。有効回答率は55%。)

 

・職場での受動喫煙について

「ほとんど毎日ある」13・5%

「時々」23・8%

計37・3%(約4割)

 

・「このうち受動喫煙を不快に感じたり体調が悪くなったりすることがある」38・8%

 

・「受動喫煙がない」は62%

 

 防止対策の課題(回答した8674事業所)

・42・6%が課題あり

二つまで選択可で内容を聞くと、

・「顧客に喫煙をやめさせるのが難しい」34・3%

・「喫煙室からたばこの煙の漏洩(ろうえい)を完全に防ぐことが困難」28・5%

 

・「喫煙室などを設けるスペースがない」25・7%

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