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判例の解き方

判例の問題の解き方

 

平成30年 労働基準法 問6Dからの問題です。

ストライキの場合における家族手当の削減が就業規則(賃金規則)や社員賃金規則細部取扱の規定に定められ異議なく行われてきている場合に、「ストライキ期間中の賃金削減の対象となる部分の存否及びその部分と賃金削減の対象とならない部分の区別は、当該労働協約等の定め又は労働慣行の趣旨に照らし個別的に判断するのを相当」とし、家族手当の削減が労働慣行として成立していると判断できる以上、当該家族手当の削減は違法ではないとするのが、最高裁判所の判例である。

 

三菱重工長崎造船所事件からの問題です。

判例に関しては、馴染みがない用語が多く読みづらいのですが、後半を確認することにより、問題の論点が見えてきます

(通常、文章の後半に問題のポイント(論点)があります。)

 

 

ストライキの場合における家族手当の削減が就業規則(賃金規則)や社員賃金規則細部取扱の規定に定められ異議なく行われてきている場合に、「ストライキ期間中の賃金削減の対象となる部分の存否及びその部分と賃金削減の対象とならない部分の区別は、当該労働協約等の定め又は労働慣行の趣旨に照らし個別的に判断するのを相当」とし、家族手当の削減が労働慣行として成立していると判断できる以上、当該家族手当の削減は違法ではないとするのが、最高裁判所の判例である

 

 上記のポイント(論点)を頭に入れて問題を確認していくことになりますが、その際に問題を論点ごとに区分していきます。

下記の    の箇所が主語になり、大きく2つの論点に区分することができます。

 

ストライキの場合における家族手当の削減が就業規則(賃金規則)や社員賃金規則細部取扱の規定に定められ異議なく行われてきている場合に、「ストライキ期間中の賃金削減の対象となる部分の存否及びその部分と賃金削減の対象とならない部分の区別は当該労働協約等の定め又は労働慣行の趣旨に照らし個別的に判断するのを相当」とし、家族手当の削減が労働慣行として成立していると判断できる以上、当該家族手当の削減は違法ではないとするのが、最高裁判所の判例である

 

 

問題文は、正しい文章ということで正解になります。

 

[解説]

(判例の概要)

ストライキ中の家族手当を削減する事が可能かどうかが争われた事件

 

(判例のポイント)

●家族手当は労働の対価ではない。←ノーワーク・ノーペイの原則に馴染まない。

●家族手当の削減が就業規則等に規定されている。

(過半数労働組合等の意見聴取も済み)

●労働慣行になっている。

 

(判決)会社側勝訴

 

家族手当の削減は、必ずしも違法ではない。

 

(判例)

ストライキの場合における家族手当の削減が昭和二三年ころから昭和四四年までは就業規則の規定に基づいて実施されており、その後右規定が削除され同様の規定が社員賃金規則細部取扱のうちに定められてからも従前の取扱が引続き異議なく行われてきたなど、原判示の事実関係のもとにおいては、ストライキの場合における家族手当の削減は労使問の労働慣行として成立していたものであり、このような労働慣行のもとにおいてされた本件ストライキ期間中の家族手当の削減は、違法とはいえない

 

 

 

今回の問題に関しては、

・ストライキ期間中の賃金は、ノーワーク・ノーペイの原則に基づき支給なし。

・家族手当に関しては、労働の対価ではない。

・家族手当の削減に関しては、就業規則に記載されている。

・過去の労働慣行がある。

 

というポイントで、正解を導き出すことが可能な問題です。

 

 

判例に関しては、内容が難解な場合と今回のようにある程度類推できる問題とがありますが、難問に関しては、判例を知識として「知っていたか」「知らなかった」かが、得点できるかどうかの大きな分かれ目になります。

 

 

いずれにしても、

判例に関しては、まずは、過去出題された問題の論点をしっかり押さえることが重要です。

 

 

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