平成22年 労働基準法 選択式 神戸弘陵学園事件

平成22年 労働基準法  選択式

1 「使用者が労働者を新規に採用するに当たり、その雇用契約に期間を設けた場合において、その設けた趣旨・目的が労働者の適性を評価・判断するためのものであるときは、右期間〔当該期間〕の満了により右雇用契約〔当該雇用契約〕が当然に終了する旨の明確な合意が当事者間に成立しているなどの特段の事情が認められる場合を除き、右期間〔当該期間〕は契約の存続期間ではなく、(A)試用期間 であると解するのが相当である。」

とするのが最高裁判所の判例である。


2 「労働者が長期かつ連続の年次有給休暇を取得しようとする場合においては、それが長期のものであればあるほど、〔…(略)…〕事業の正常な運営に支障を来す蓋然性が高くなり、使用者の業務計画、他の労働者の休暇予定等との(B)事前の調整 を図る必要が生ずるのが通常」であり、労働者がこれを経ることなく、「その有する年次有給休暇の日数の範囲内で始期と終期を特定して長期かつ連続の年次有給休暇の時季指定をした場合には、これに対する使用者の時季変更権の行使については、〔…(略)…〕使用者にある程度の裁量的判断の余地を認めざるを得ない。」とするのが最高裁判所の判例である。

 

3 賞与の対象期間の出勤率が90% 以上であることを賞与の支給要件とする就業規則の規定における出勤率の算定に当たり、労働基準法第65条の定める産前産後休業等を出勤日数に含めない取扱いについて、「労働基準法65条〔等〕の趣旨に照らすと、これにより上記権利〔産前産後休業の取得の権利〕等の行使を抑制し、ひいては労働基準法等が上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる場合に限り、(C)公序に反するもの として無効となる」とするのが最高裁判所の判例である。

 

【解説】上記3点ともに、判例をベースをベースにした問題です。

(A)試用期間  (神戸弘陵学園事件)

(B)事前の調整  (時事通信社事件)

(C)公序に反するもの (東朋学園事件)  

 

●神戸弘陵学園事件

判例の趣旨は2点

①労働者の新規採用契約においてその適性の評価判断のために設けられた期間の性質は何か

②試用期間付雇用契約の法的性質は、何か?

 

①労働者の新規採用契約において、その適性を評価・判断するために期間を設けたときは、特段の事情がある場合を除いて、当該期間は契約の存続期間ではなく試用期間と解するのが相当である。

➠つまり、特段の事情がなければ、新規の採用において、労働者の適性を評価、判断する期間は、試用期間とする。

 

②上記のように試用期間付雇用契約によって雇用された労働者が、他の労働者と同じ職場で同じ職務に従事し、使用者の取扱にも格段異なるところはなく、試用期間満了時に本採用に関する契約書の作成手続がとられていない場合には、特段の事情がない限り、これを解約権留保付雇用契約と解するのが相当である。

つまり、該当する試用期間付雇用契約は、特段の事情がなければ、解約権留保付雇用契約と解する。