雇用保険法

《目次》 【育児休業給付】

【育児休業給付】 (法61条の4)

【問題】被保険者の養育する子について、当該被保険者の配偶者が、その子が1歳に達する日以前にその子を養育するために育児休業している場合、当該被保険者は、一定の要件を満たせば、その子が1歳2か月に達する日の前日までに自らが取得した育児休業について、育児休業給付金の支給を受けることができるが、支給対象となる期間は、配偶者との合計で1年が上限となる。なお、本問の被保険者には、高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を含めないものとし、また、育児休業の開始日は平成22年6月30日以降であるものとする。
(平成23年 問6A)
【解答】×
【解説】(法61条の4、則101条の11の3)

■「配偶者との合計で1年が上限となる」の箇所が誤り。
■いわゆる「パパ・ママ育休プラス」を取得する場合の育児休業給付金の支給対象となる期間は⇒被保険者、配偶者(被保険者である場合)それぞれ最長1年間。


【問題】育児休業給付又は介護休業給付の支給を受けるためには、原則として、休業を開始した日前2年間に、みなし被保険者期間が通算して12か月以上あることが必要である。
(平成20年 問5A)
【解答】○
【解説】(法61条の4第1項、法61条の6第1項)
■育児休業給付⇒被保険者が、その1歳(一定の場合は1歳6か月)に満たない子を養育するために休業した場合において、原則として、その休業を開始した日の前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月(みなし被保険者期間)が通算して12か月以上あるときに支給
■介護休業給付⇒被保険者が、対象家族を介護するために休業した場合において、その休業を開始した日の前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月(みなし被保険者期間)が通算して12か月以上あるときに支給


【問題】被保険者が満2歳になる幼児を養子にした場合、当該養子縁組の日から起算して1年が経過する日(その日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合にあっては、1年6か月が経過する日)までの間に当該養子を養育するための休業をした期間について、育児休業給付の支給を受けることができる。
(平成18年 問7C)
【解答】×
【解説】(法61条の4、法61条の5)

■設問のように満2歳になる幼児の場合には支給されない。

■育児休業給付⇒1歳(その子が1歳又は1歳2カ月(休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあっては、1歳6か月))に満たない子を養育するための休業をした場合に支給。
■子については、実子であるか養子であるかは問わない。


【問題】高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者は、育児休業給付の支給を受けることができない。
(平成15年 問7A)
【解答】○
【解説】(法61条の4第1項)
■育児休業給付の支給対象となる被保険者の範囲から⇒高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者は除かれているので正しい。
育児休業給付の支給対象⇒一般被保険者のみ。


【問題】育児休業の終了予定日とされていた日までに、休業の申出をした被保険者について労働基準法第65条の規定による産前産後の休業期間が始まった場合、当該産前産後休業が始まった日後の休業については、原則として、育児休業基本給付金は支給されない。
(平成15年 問7D)
【解答】○
【解説】(法61条の4)
■育児休業の終了予定日とされた日までに、育児休業の申出をした被保険者について、労働基準法の産前産後休業期間、介護休業期間又は新たな育児休業期間が始まった場合は、その後の期間は、原則として育児休業基本給付金は支給されないので正しい。


【問題】被保険者が初めて育児休業基本給付金の支給を受けようとする場合、原則として最初の支給単位期間の初日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日までに、育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業基本給付金支給申請書をその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。>>>
(平成15年 問7C)
【解答】×
【解説】(法61条の4)
■初めて育児休業基本給付金の支給を受けようとするとき⇒育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業基本給付金支給申請書をその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出。
原則として、支給単位期間の初日から起算して4か月


【問題】育児休業給付金の支給を受けた者は、その支給に係る休業の期間中被保険者として雇用されていた事業主に当該休業の終了後引き続き3か月間雇用されたことの証明を、当該3か月の経過後速やかに、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。
(平成23年 問6C)
【解答】×
【解説】(法61条の4、法61条の5)
■問題文のような規定は存在しないため誤り。
■このような過去問は繰り返し読む必要はありません。


【問題】6か月の期間を定めて雇用される被保険者は、育児休業の開始時において同一の事業主で契約を更新して1年以上雇用されており、かつ、当該休業に係る子が1歳に達する日を超えて引き続き同一の事業主の下で雇用の継続が見込まれる場合であっても、育児休業給付の支給を受けることはできない。(一部改正)
(平成18年 問7A)
【解答】×
【解説】(法61条の4、法61条の5)
■期間を定めて雇用される者が育児休業給付金の支給を受けるための要件

・休業開始時において同一の事業主の下で1年以上雇用が継続しており、かつ、子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用される見込み(子が2歳までの間に、その労働契約が満了し、かつ、当該労働契約を更新しないことが明らかである者を除く)があることが要件。
■設問は要件に該当し受給可能。


【問題】いわゆる共働きの夫婦に子が生まれ、夫である被保険者が育児休業をした場合、妻が労働基準法第65条第2項に基づく産後休業をしている期間については、育児休業給付金を受給することはできない。
(平成20年 問5B)
【解答】×
【解説】(法61条の4、法61条の5)
■妻が労働基準法第65条第2項に基づく産後休業をしている期間⇒夫である被保険者が育児休業をした場合、夫である被保険者に育児休業給付金が支給。


【問題】育児休業給付又は介護休業給付について、事業主は、当該事業所の労働者の過半数で組織する労働組合(労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者)との間に書面による協定があれば、被保険者本人に代わって、公共職業安定所長にこれらの給付の支給申請書を提出することができる。
(平成20年 問5E)
【解答】○
【解説】(則101条の15、則102条)
■設問のとおり正しい。

■当該事業所の労働者の過半数で組織する労働組合(労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者)との間に書面による協定があれば、被保険者本人に代わって、事業主は育児休業給付又は介護休業給付の支給申請手続きをすることが可能


【問題】事業主が雇用保険に関する届出等の手続を怠っていたため、雇用保険法第22条第5項が定める特例によって、被保険者の確認があった日の2年前の日よりも前に被保険者となったものとされる被保険者の場合であっても、育児休業給付及び介護休業給付の受給要件であるみなし被保険者期間に関しては、被保険者の確認があった日の2年前の日よりも前の期間は算入されない。
(平成23年 問6D)
【解答】×
【解説】(法14条2項、法61条の4)
■被保険者の確認があった日の2年前の日よりも前の期間も算入される。


【育児休業給付金の額】 (法61条の4)

【問題】育児休業期間中に事業主から賃金が支払われる場合、支給単位期間における賃金額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の80に相当する額以上であるときには、当該支給単位期間について、育児休業基本給付金は支給されない。
(平成15年 問7B)
【解答】○
【解説】(法61条の4第5項)

■設問のとおり正しい。
■育児休業期間中に事業主から賃金が支払われた場合⇒賃金の額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の80に相当する額以上であるときは、賃金が支払われた支給単位期間については、育児休業基本給付金は支給されない


【問題】育児休業給付金の額は、当分の間、一支給単位期間について、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の50に相当する額である。(全部改正)>>>
(平成20年 問5C)
【解答】○
【解説】(法61条の4第4項)
■育児休業給付金の額⇒一支給単位期間について、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の50に相当する額。
■支給単位期間において事業主から賃金が支払われるときは、その額に応じ支給額が調整される。


【問題】育児休業期間中に事業主から賃金が支払われる場合、ある支給単位期間における賃金額が、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の40以下であれば、当該支給単位期間における育児休業給付金の金額は、その賃金額によって変動することはない。

(平成23年 問6E)>>>
【解答】×
【解説】(法61条の4、法附則12条)

■育児休業期間中に事業主から賃金が支払われた場合⇒賃金の額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の30に相当する額以下であるとき⇒当該支給対象期間における育児休業基本給付金の額は、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の100分の50に相当する額が支給


【育児休業者職場復帰給付金】 (法61条の5)

【問題】育児休業者職場復帰給付金は、育児休業基本給付金の支給を受けることのできる被保険者が、当該支給を受けることができる育児休業基本給付金に係る休業の期間中被保険者として雇用されていた事業主に当該休業の終了した日後引き続いて6か月以上雇用されていれば、その間に実際に就労していなくても支給される。
(平成15年 問7E)
【解答】○
【解説】(法61条の5第1項)
■育児休業者職場復帰給付金⇒育児休業基本給付金の支給を受けることができる被保険者が、育児休業基本給付金に係る休業の期間中被保険者として雇用されていた事業主に当該休業を終了した日後引き続いて6か月以上雇用されているときに支給。
■実際に6か月間就労しているかどうかは問われず、引き続き6か月以上雇用関係が継続していれば支給。
【POINT】
■育児休業者職場復帰給付金の支給額⇒育児休業をした期間内における支給単位期間(育児休業基本給付金の支給を受けることができるものに限る。)における支給日数を合計した数に、休業開始時賃金日額の100分の10(平成22年3月31日までは100分の20)に相当する額を乗じて得た額(一時金として支給)
■育児休業者職場復帰給付金の支給手続⇒原則として職場復帰後6か月を経過した日の翌日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日までに「育児休業者職場復帰給付金支給申請書」をその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出。