国民年金法

《目次》

(法96条)

【問題】厚生労働大臣は、督促状により指定した期限までに保険料を納付しないときは、その滞納者を国税滞納処分の例によって処分することができる。
(平成13年 問6D)
【解答】×
【解説】(法96条4項

社会保険庁長官は、保険料等を滞納し、期限を指定した督促を受けた者が、その指定の期限までに保険料等を納付しないときは、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は滞納者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村に対して、その処分を請求することができる。
よって、「滞納処分をすることができるのが厚生労働大臣」とした問題文は誤りである。

【問題】社会保険庁長官は、保険料を滞納する者があるときは、納付義務者に対して督促状を発することができ、その指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上経過した日でなければならない。
(平成14年 問5E)
【解答】○
【解説】(法96条1項・2項・3項)
保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、社会保険庁長官は、納付義務者に対して、期限を指定し、督促状を発することにより督促することができる。
ちなみに、督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならないとされている。
なお、督促状に指定した期限までに保険料等が完納されない場合、社会保険庁長官は、徴収金額につき年14.6パーセントの割合で、納期限(督促状に指定した期限でなく本来の納期限)の翌日から徴収金完納又は財産差押の日の前日までの日数によって計算した延滞金を徴収することができる。(法97条)

【  】 (法97条)

【問題】保険料滞納について督促した場合、納期限の翌日から徴収金完納又は財産差押の日の前日までの日数につき年14.6%(当該督促が保険料に係るものであるときは、当該納期限の翌日から3月を経過する日までの期間については、年7.3%)の延滞金を徴収するが、延滞金の金額が50円未満であるときは、延滞金は徴収しない。(一部改正)
(平成17年 問2B)
【解答】○
【解説】(法97条1項・4項)
厚生労働大臣が、滞納保険料について督促したときは、徴収金額につき年14.6%(当該督促が保険料に係るものであるときは、当該納期限の翌日から3月を経過する日までの期間については、年7.3%)の割合で、納期限(督促状に指定した期限でなく、当初の納期限)の翌日から徴収金完納又は財産差押日の前日までの日数によって計算した延滞金を徴収することになっている。
しかし、次の場合には、延滞金は徴収されないことになっている。
1.督促状に指定した期限までに徴収金を完納した場合
2.徴収金額が500円未満である場合
3.延滞金の額が50円未満である場合

【不服申立て】 (法101条、101条の29)

【問題】被保険者の資格に関する処分が確定しても、その処分についての不服を当該処分に基づく給付に関する処分の不服の理由とすることができる。
(平成13年 問3D)
【解答】×
【解説】(法101条4項)
被保険者の資格に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく給付に関する処分の不服の理由とすることができないとされている。
これは、いちど資格に関する処分が確定したにもかかわらず、当該処分に基づく保険給付の際に、資格に関する処分に不服があるとして争うことは、確定した内容をさらに争うことになるために認められていないものである。
よって、問題文は誤りである。

【問題】死亡一時金ならびに脱退一時金に関する処分に不服のあるものは、社会保険審査官に対して審査請求をすることができる。
(平成18年 問4D)
【解答】×
【解説】(法101条1項、法附則9条の3の2第5項)
死亡一時金に関する処分に不服があるものの審査請求先は、社会保険審査官で正しいが、脱退一時金に関する処分に不服がある場合は、他の給付の場合と異なり、社会保険審査官への審査請求を経ずに、直接社会保険審査会に対して審査請求を行うことになっている。
よって、問題文は誤りである

【問題】不服申立ての審査請求をした日から30日以内に決定がないときは、審査請求を棄却されたものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
(平成14年 問9D)
【解答】×
【解説】(法101条2項)
審査請求をした日から60日以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができるとされている。
よって「審査請求をした日から30日以内に決定がないとき」とした問題文は誤りである。

【時効】 (法102条)

【問題】年金給付を受ける権利は、その支給事由が発生したときから5年を経過したときは、時効によって消滅し、死亡一時金を受ける権利は、3 年を経過したときに時効によって消滅する。
(平成14年 問7E)
【解答】×
【解説】(法102条1項・3項)
年金給付を受ける権利は、その支給事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅するとされているので正しい。
しかし、死亡一時金を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によって消滅することになっており「死亡一時金を受ける権利は、3 年を経過したときに時効によって消滅する」とした問題文は誤りである。

【問題】年金給付を受ける権利は、給付額全額が支給停止されている場合を除き、支給事由が生じたときから5年を経過したとき、また、死亡一時金は3年を経過したとき、それぞれ時効によって消滅する。
(平成15年 問2C)
【解答】×
【解説】(法102条1項・2項・3項)
年金給付を受ける権利は、その支給事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅することになっているが、当該年金給付がその全額につき支給を停止されている間は、時効は進行しないことになっているので、問題文の年金給付に関する記述は正しい。
しかし、保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、2年を経過したときに時効によって消滅することになっており、死亡一時金について「3年を経過したとき」とした問題文は誤りである。

【問題】保険料その他国民年金法の規定による徴収金については、期限を指定して督促をした場合でも、時効中断の効力は生じない。
(平成20年 問8A)
【解答】×
【解説】(法102条5項)
保険料その他国民年金法の規定による徴収金について、期限を指定して督促はした場合は、時効中断の効力を有することになっている。
よって、「時効中断の効力は生じない」とした問題文は誤りとなる。

【問題】厚生労働大臣は、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律の施行日における老齢基礎年金について、年金記録の訂正がなされた上で受給権に係る裁定が行われたときは、その裁定による当該記録した事項の訂正に係る給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに支給を受ける権利について、当該裁定日までに消滅時効が完成した場合においても、当該権利に基づく給付を支払うものとする。
(平成23年 問1E)
【解答】○
【解説】(法102条、年金時効特例法2条)
厚生労働大臣は、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律の施行日において国民年金法による給付(これに相当する給付を含む。)を受ける権利を有する者又は施行日前において当該権利を有していた者(未支給の年金の支給を請求する権利を有する者を含む。)について、年金記録の訂正がなされた上で当該給付を受ける権利に係る裁定(裁定の訂正を含む。)が行われた場合においては、その裁定による当該記録した事項の訂正に係る給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに又は一時金として支払うものとされる給付の支給を受ける権利について当該裁定の日までに消滅時効が完成した場合においても、当該権利に基づく給付を支払うものとされている。

【問題】給付を受ける権利は、その支給事由が生じた日から5年を経過したときは時効によって消滅する。
(平成18年 問2B)
【解答】×
【解説】(法102条1項・3項)
国民年金法の年金給付を受ける権利は、その支給事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅することになっている。(年金給付がその全額につき支給を停止されている間、時効は進行しない)
また、保険料その他国民年金法の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によって消滅することになっている。
よって、年金給付についての消滅時効は5年であるが、死亡一時金については2年とされているために「給付を受ける権利」とした問題文は誤りである。

【届出等】 (法105条)

【問題】受給権者は、社会保険庁長官に対し、厚生労働省令の定める事項を届け出、かつ、厚生労働省令の定める書類その他の物件を提出しなければならない。
(平成13年 問3A)
【解答】○>>>
【解説】(法105条3項)
受給権者は、厚生労働省令の定めるところにより、社会保険庁長官に対し、厚生労働省令の定める事項を届け出、かつ、厚生労働省令の定める書類その他の物件を提出しなければならないとされている。
なお、受給権者が、正当な理由がなく、この届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないときは、年金給付の支払を一時差し止めることができることになっている。(法73条)

【問題】厚生労働大臣は、法第18条第3項に規定する年金の支払期月の前月において、住民基本台帳法の規定による当該支払着つきに支給する老齢基礎年金の受給権者に係わる本人確認情報の提供を受け、必要な事項について確認を行うものとする。
(平成24年 問5C)
【解答】×
【解説】(法105条3項)
■住民基本台帳ネットワークシステムを活用した年金受給権の生存確認に関しての問題。
■「支払期月の前月」⇒「毎月」にすれば正しい。

【問題】住民基本台帳法の規定により本人確認の提唱を受けることができる受給権者の死亡について、受給権者の死亡の日から7日以内に当該受給権者に係わる
戸籍法の規定による死亡の届出をした場合は、国民年金法の規定による死亡の届け出は要しない。
(平成24年 問1E)
【解答】○
【解説】(法105条4項、則24条5項・6項)
■設問のとおり正しい。

【問題】被保険者又は受給権者が死亡したときは、戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、その旨を第3号被保険者以外の被保険者に係るものにあって市町村長に、第3号被保険者又は受給権者に係るものにあっては社会保険庁長官に届け出なければならない。(一部改正)
(平成13年 問7D)
【解答】○
【解説】(法105条4項)
被保険者又は受給権者が死亡したときは、戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、その旨を、当該事実があった日から14日以内に、第3号被保険者以外の被保険者に係るものにあって市町村長、第3号被保険者又は受給権者に係るものにあっては社会保険庁長官に届け出なければならないことになっている。
なお、第2号被保険者については、この規定は適用されないことになっている。(法附則7条の4)

【学生納付特例の事務手続に関する特例】 (法109条2)

【問題】学生納付特例事務法人は、その教育施設の学生等である被保険者の委託を受けて、当該被保険者に係る学生納付特例の申請に関する事務及び保険料の納付に関する事務をすることができる。

(平成23年 問3E)
【解答】×
【解説】(法109条の2第1項)
学生納付特例事務法人は、その設置する学校教育法に規定する大学その他の政令で定める教育施設において当該教育施設の学生等である被保険者の委託を受けて、当該被保険者に係る学生納付特例の申請に関する事務をすることができるが、保険料の納付に関する事務をすることは認められていない。
よって、「保険料の納付に関する事務をすることができる。」とした問題文は誤りとなる。

【問題】保険料の申請免除の処分に関する厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に委任されている。
(平成16年 問9C改題)
【解答】○
【解説】(法109条の4)
■設問のとおり正しい。
■申請免除、学生納付特例、若年者納付猶予の申請の受理及び処分に関する厚生労働大臣の権限に係る事務⇒日本年金機構に委任

  

【問題】国民年金法の規定による徴収金の滞納者に対する督促、滞納処分、延滞金の徴収に関する厚生労働大臣の権限は、日本年金機構に委任されている。
(平成16年 問6C 改題)
【解答】×
【解説】(法109条の4、1項25号)
■滞納処分に関して⇒日本年金機構に委任。
■その他のものについては委任されていない。

【問題】保険料納付確認団体は、当該団体の構成員その他これに類する者である被保険者からの委託により、当該被保険者に係る保険料滞納事実の有無について確認し、その結果を当該被保険者に通知する業務を行うものとする。
(平成22年 問5A)
【解答】○
【解説】(法109条の3第2項)
保険料納付確認団体は、当該団体の構成員その他これに類する者である被保険者からの委託により、当該被保険者に係る保険料が納期限までに納付されていない事実(保険料滞納事実)の有無について確認し、その結果を当該被保険者に通知する業務を行うものとされている。
よって、問題文は正解となる。

【罰則】 (法111条〰114条)

【問題】偽りその他不正な手段により給付を受けた者は、5年以下の懲役に処する。
(平成13年 問6B)
【解答】×
【解説】(法111条)
偽りその他不正な手段により給付を受けた者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられることになる。ただし、刑法に正条があるときは、刑法に基づき罰則を受けることになっている。
よって、「5年以下の懲役」とした問題文は誤りである。

【問題】被保険者又は受給権者が死亡したときに、当該死亡の届出をしなかった戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、20万円以下の罰金に処せられる。

(平成20年 問3E)
【解答】×
【解説】(法105条4項、法114条4号)
被保険者又は受給権者が死亡したときは、戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、死亡した日から14日以内に第3号被保険者以外の被保険者に係るものにあっては市町村長に、第3号被保険者又は受給権者に係るものにあっては厚生労働大臣に届け出なければならないことになっているが、この規定に違反した場合は、10万円以下の過料に処せられることになっている。
よって、「20万円以下の罰金」とした問題文は誤りとなる。

【問題】第1号被保険者及び第3号被保険者による資格の取得及び喪失、種別の変更、氏名及び住所の変更以外の届出の規定に違反して虚偽の届出をした被保険者は30万円以下の過料に処する。
(平成18年 問2A)
【解答】×
【解説】(法105条1項、法114条)
第1号被保険者及び第3号被保険者による資格の取得及び喪失、種別の変更、氏名及び住所の変更以外の届出の規定に違反して、届け出をしなかった被保険者、又は、虚偽の届出をした被保険者は、10万円以下の過料に処せられることになっている。
よって、「30万円以下の過料」とした問題文は誤りである。
なお、第1号被保険者及び第3号被保険者による資格の取得及び喪失、種別の変更、氏名及び住所の変更の届出の規定に違反して、届出をしなかった被保険者については、30万円以下の罰金に処せられることになっている。

【問題】被保険者が、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項につき虚偽の届出をしたときは、10万円以下の罰金に処する。
(平成13年 問6C)
【解答】×
【解説】(法112条1項1号)
第1号被保険者、第1号被保険者に代わって届けた世帯主、第3号被保険者が、資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項について虚偽の届出をした場合は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられることになっている。
よって、「10万円以下の罰金」とした問題文は誤りである。

(128条)

【問題】国民年金基金は、厚生労働大臣の許可を受けて国民年金基金連合会に業務の一部を委託することができる。
(平成17年 問8B)
【解答】×
【解説】(法128条5項)
国民年金基金は、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の認可を受けて、その業務の一部を信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会、共済水産業協同組合連合会、国民年金基金連合会その他の法人に委託することができることになっている。
よって、「厚生労働大臣の許可」とした問題文は誤りである。