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ズバッと過去問解説 労働基準法

 ■労働基準法 令和4年-問2B

定期路線トラック業者の運転手が、路線運転業務の他、貨物の積込を行うため、小口の貨物が逐次持ち込まれるのを待機する意味でトラック出発時刻の数時間前に出勤を命ぜられている場合、現実に貨物の積込を行う以外の全く労働の提供がない時間は、労働時間と解されていない。

解答:誤り

 

■■解説

手待時間は、実際に作業をしていなかったとしても、使用者から指示があった場合には、すぐに作業に取り掛かれるような状態で待機している時間のことをいいます。

 

当然手待時間は、使用者の指揮命令下にあり労働時間として扱われます。

 

関連過去問

■平成20年 問4A

労働基準法が規制対象とする労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、その具体的な判断においては、労働契約、就業規則、労働協約等の定めに従い決定されるべきであるとするのが最高裁判所の判例である。

解答:誤り(平成12年三菱重工業長崎造船所事件)

 

労働契約、就業規則、労働協約等の定めに従い決定されるべきではなく、指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものとしています。

 

■令和2年 問6A

運転手が2名乗り込んで、1名が往路を全部運転し、もう1名が復路を全部運転することとする場合に、運転しない者が助手席で休息し又は仮眠している時間は労働時間に当たる。

解答:正解

労基法32条、昭和33年基収6286

 

 

設問の場合において、「トラックの助手席であっても、使用者の拘束を受け、また万一事故発生の際の交代運転でもあり、手待ち時間あるいは助手的な勤務として労働時間と解されます。