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厚生労働白書 重要な数字がてんこ盛りです。

令和3年版 厚生労働白書(p212

労働時間法制の見直し

 

労働基準法の直近の法改正に関する内容が掲載されています。

下線、マーカーの個所は十分に注意してください。

 

また、36協定の協定事項が理解し難い箇所ですが、数字は完全に暗記する必要があります。

 

年間総実労働時間は、減少傾向にあり、近年では1,700時間前後の水準となっているが、いわゆる正社員等については2,000時間前後で推移している。

 

また、週の労働時間が60時間以上の労働者割合も、特に30歳代男性で10.2%、40歳代男性で10.4に上っており、これらの長時間労働の問題への対応が求められている。

 

さらに、仕事と子育てや介護を無理なく両立させられるよう、多様なニーズに対応した新たな働き方の選択肢を設けることが求められている。 このような状況の中で、長時間労働の是正については、「働き方改革実行計画」を踏まえ、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」を2018(平成30)に国会に提出し、同法案は同国会において成立し、201876日に公布された。

この法律により労働基準法が改正され、時間外労働の上限規制が罰則付きで法律に規定された。

具体的には、事業場で使用者と労働者代表が労働基準法第36条第1項に基づく労使協定を結ぶ場合に、法定労働時間を超えて労働者に行わせることが可能な時間外労働の限度を、原則として45時間かつ360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできないこととした

 

また、臨時的な特別の事情通常予見することのできない業務量の大幅な増加など)があって労使が合意して労使協定を結ぶ場合(特別条項)でも上回ることができない時間外労働時間の限度を年720時間とした上で、時間外労働が月45時間を超えることができる 回数について年半分を上回らないよう、6か月を上限とした

 

さらに、特別条項の有無にかかわらず、時間外労働と休日労働の合計について、100 時間未満を満たさなければならず、かつ、「2か月平均」、「3か月平均」、「4か月平均」、 「5か月平均」、「6か月平均」の全てで80時間以内を満たさなければならないこととした

加えて、労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするため、労働基準法に根拠規定を設け、新たに、「労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針」(平成30年厚生労働省告示第323号)を定めた。

時間外労働の上限規制については、適用猶予・除外となる一部の事業・業務を除いて、 大企業には2019(平成31)年41日から、中小企業には2020(令和2)年41日からそれぞれ適用された。

このほか、法律には、

中小企業における月60時間超の時間外労働に対する50%以上の割増賃金率の適用猶予の廃止

5日の年次有給休暇の確実な取得

フレックスタ イム制の清算期間の上限の1か月から3か月への延長

高度プロフェッショナル制度の創設等の内容も盛り込まれ、順次施行されている。

加えて、働き方改革関連法により「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」が改正され、勤務間インターバル制度の導入や、取引に当たって短納期発注等を行わないよう配慮することが、事業主の努力義務となった(201941日施行)。

また、関連する指針も、一連の働き方改革に関連する法令改正等を踏まえて改正された。