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統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-

統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-

 

令和3年919日総務省HPより

 

総務省統計局では、「敬老の日」(920日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国の65歳以上の高齢者のすがたについて毎年この時期に公表しています。

 

高齢者の人口 

総人口が減少する中で、高齢者人口は3640万人と過去最多

②総人口に占める割合は29.1%と過去最高

③日本の高齢者人口の割合は、世界で最高(201の国・地域中)

 

 

■我が国の総人口(2021年9月15日現在推計)は、前年に比べ51万人減少している一方、65歳以上の高齢者(以下「高齢者」といいます。)人口は、3640万人と、前年(3618万人)に比べ22万人増加し、過去最多となりました。

総人口に占める割合は29.1と、前年(28.8%)に比べ0.3ポイント上昇し、過去最高となりました。

 

 ■男女別にみると、男性は1583万人(男性人口の26.0%)、女性は2057万人(女性人口の32.0%)と、女性が男性より474万人多くなっています。

人口性比(女性100人に対する男性の数)をみると、15歳未満では105.01564歳では102.6と男性が多いのに対し、65歳以上では76.9と女性が多くなっています。

 

■年齢階級別にみると、いわゆる「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)を含む70歳以上人口は2852万人(総人口の22.8%)で、前年に比べ、61万人増(0.6ポイント上昇)となりました。

また、75歳以上人口は1880万人(同15.0%)で、前年に比べ、9万人増(0.1ポイント上昇)、80歳以上人口は1206万人(同9.6%)で、46万人増(0.4ポイント上昇)となりました。

 

■総人口に占める高齢者人口の割合の推移をみると、1950 年(4.9%)以降一貫して上昇が続いており、1985 年に10%、2005 年に20%を超え、2021 年は29.1%となりました

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇を続け、第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には、35.3%になると見込まれています。 (図1、表2)

 

2021年の高齢者の総人口に占める割合を比較すると、日本(29.1)は世界で最も高く、次いでイタリア(23.6%)、ポルトガル(23.1%)、フィンランド(23.0%)などとなっています。

 

高齢者の就業 (労働力調査)

高齢就業者数は、17年連続で増加し、906万人と過去最多

②高齢者の就業率は25.1%、9年連続で上昇

③就業者総数に占める高齢就業者の割合は、13.6%と過去最高

④高齢就業者は、「卸売業,小売業」や「農業,林業」などで多い

⑤高齢の非正規の職員・従業員は10年前に比べ227万人増加し、

⑥その割合は7.6ポイント上昇

⑦非正規の職員・従業員についた主な理由は、

⑧男女とも「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多

⑨日本の高齢者の就業率は、主要国の中でも高い水準

⑩高齢就業者数は2020年4月を除き前年同月に比べ増加

 

2020年の高齢者の就業者(以下「高齢就業者」といいます。)数は、2004年以降、17年連続で前年に比べ増加し、906万人と過去最多となっています。

 

■高齢就業者数の対前年増減をみると、「団塊の世代」の高齢化などを背景に、2013年から2016年までは主に6569歳で増加、2017年以降は「団塊の世代」が70歳となり始めたことなどにより、主に70歳以上で増加しています。

 

2020年の高齢者の就業率は25.1%となり、9年連続で前年に比べ上昇しています。

年齢階級別にみると、6569歳は9年連続で上昇し2020年に49.6%となり、70歳以上は4年連続で上昇し2020年に17.7%となっています。

 また、男女別にみると、男性が34.2%、女性が18.0%と、いずれも9年連続で前年に比べ上昇しています。このうち6569歳の就業率をみると、男性は2014年に50%を超え、2020年は60.0%となっています。

一方、女性は2014年に30%を超え、2020年は39.9%となっています。

   

15歳以上の就業者総数に占める高齢就業者の割合は13.6%と、過去最高となっています。

 

 

高齢就業者を主な産業別にみると、「卸売業,小売業」が128万人と最も多く次いで「農業,林業」106万人、「サービス業(他に分類されないもの)」が104万人、「製造業」、「医療,福祉」がそれぞれ92万人などとなっています。

   なお、各産業の就業者に占める高齢就業者の割合をみると、「農業,林業」が53.0%と最も高く、次いで「不動産業,物品賃貸業」が26.4%、「サービス業(他に分類されないもの)」が23.0%、「生活関連サービス業,娯楽業」が18.7%などとなっています。

 

■高齢就業者を従業上の地位別にみると、役員を除く雇用者が510万人で高齢就業者の57.0%、自営業主・家族従業者が275万人で同30.7%、会社などの役員が110万人で同12.3となっています。

さらに、高齢就業者のうち役員を除く雇用者(以下「高齢雇用者」といいます。)を雇用形態別にみると、非正規の職員・従業員が76.5を占めており、そのうちパート・アルバイトの割合が52.5%と最も高くなっています

また、高齢雇用者数の推移を雇用形態別にみると、正規の職員・従業員は2010年(74万人)から2020年(120万人)で46万人増加し、非正規の職員・従業員は、2010年(163万人)から2020年(390万人)で227万人増加しています。

 

■雇用形態が非正規の職員・従業員の高齢雇用者について、現在の雇用形態についた主な理由別の割合を男女別にみると、男性は「自分の都合のよい時間に働きたいから」(30.4%)が最も高く次いで「専門的な技能等をいかせるから」(18.8%)、「家計の補助・学費等を得たいから」(16.2%)などとなっています。

また、女性についても、「自分の都合のよい時間に働きたいから」(38.6%)が最も高く、次いで「家計の補助・学費等を得たいから」(21.6%)、「専門的な技能等をいかせるから」(8.5%)などとなっています。

 

 

■主要国における高齢者の就業率を10年前と比較すると、日本(+5.7ポイント)、韓国(+5.1ポイント)を始め、各国とも上昇しています。2020年の日本の高齢者の就業率は25.1%となっており、主要国の中でも高い水準にあります。