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職場のハラスメントに関する実態調査

令和3年4月30日に、職場のハラスメントに関する実態調査報告書が公表されています。

企業調査と労働者調査の両面にわたる調査で、下記に概要(厚生労働省のホームホームページより転用)しています。(令和2年10月に実施)

 

問題形式でチェックの上、下記のまとめを参照してください。

(問題はすべて正解です。)

 

■企業調査結果のまとめ

 

【問題】過去 3 年間のハラスメント相談件数では、セクハラのみ「減少している」の割合が最も高かった。

 

【問題】パワハラ等の雇用管理上の措置としては、「ハラスメントの内容、ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化と周知・啓発」および「相談窓口の設置と周知」の割合が、いずれも約 8 割という結果となった。

 

【問題】ハラスメントの予防・解決のための取組を進めたことによる副次的効果としては、「職場のコミュニケーションが活性化する/風通しが良くなる」(35.9%)の割合が最も高かった。

 

【問題】ハラスメント予防・解決のための取組を進める上での課題については、「ハラスメントかどうかの判断が難しい」の回答率が最も高かった。

 

企業調査結果のまとめ

○ 過去 3 年間のハラスメント相談件数/該当件数の傾向としては、パワハラ、顧客等からの著しい迷惑行為、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護休業等ハラスメント、就活等セクハラでは「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」の割合が最も高かった。

 

○ パワハラ、セクハラおよび妊娠・出産・育児休業等・介護休業等ハラスメントに関して実施している雇用管理上の措置としては、「ハラスメントの内容、ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化と周知・啓発」および「相談窓口の設置と周知」の割合が、いずれも約 8 割、「相談窓口担当者が相談内容や状況に応じて適切に対応できるようにするための対応」の割合が約 4 割という結果となった。

 

○ ハラスメントの予防・解決のための取組を進めたことによる副次的効果としては、「職場のコミュニケーションが活性化する/風通しが良くなる」(35.9%)の割合が最も高く、次いで「管理職の意識の変化によって職場環境が変わる」(32.4%)が高かった。

 

○ ハラスメント予防・解決のための取組を進める上での課題については、「ハラスメントかどうかの判断が難しい」の回答率が最も高かった。

 

 

 

■労働者等調査結果のまとめ

 

【問題】過去 3 年間に、一度以上経験した者の割合は、「パワハラ」、「顧客等からの著しい迷惑行為」、「セクハラ」の順番であった。

 

【問題】過去 5 年間に、一度以上経験した者の割合は、「女性の妊娠・出産・育児休業等ハラスメント」、「男性の育児休業等ハラスメント」「妊娠・出産等に関する否定的な言動(いわゆるプレマタハラ)」、の順番であった。

 

【問題】就職活動又はインターンシップ(転職を除く)を経験した男女の中で、就活等セクハラを一度以上受けたと回答した者の割合は、25%であった。

 

【問題】パワハラ等の経験有無・頻度を回答者による勤務先の取組評価別にみると、全てのハラスメントにおいて、勤務先が「積極的に取り組んでいる」と評価した者でハラスメントの経験割合が最も低く、「あまり取り組んでいない」と評価した者で最も高かった。

 

【問題】ハラスメントを知った後の勤務先の対応としては、「パワハラ」では「特に何もしなかった」、「セクハラ」では「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」、「顧客等からの著しい迷惑行為」では、「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」の割合が最も高かった。

 

【問題】勤務先によるパワハラ、セクハラ行為の認定については、「ハラスメントがあったともなかったとも判断せずあいまいなままだった」の割合が最も高かった。

 

【問題】ハラスメントの経験者と未経験者とで職場の特徴の回答を比較すると、パワハラでは、「上司と部下のコミュニケーションが少ない/ない」、「ハラスメント防止規定が制定されていない」、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」、「従業員間に冗談、おどかし、からかいが日常的に見られる」等の項目で、経験者の回答割合が未経験者より高く、その差が大きかった。

 

【問題】同様にセクハラでは、「ハラスメント防止規定が制定されていない」、「従業員間の競争が激しい/個人業績との評価の連動が徹底している」、「従業員間に冗談、おどかし、からかいが日常的に見られる」等の項目で、経験者の回答割合が未経験者より高く、その差が大きかった。

 

【問題】同様に顧客等からの著しい迷惑行為では、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」、「従業員間の競争が激しい/個人業績との評価の連動が徹底している」、「従業員間に冗談、おどかし、からかいが日常的に見られる」等の項目で、経験者の回答割合が未経験者より高く、その差が大きかった。

 

【問題】妊娠・出産・育児休業等ハラスメントの経験者と未経験者とで職場の特徴の回答を比較すると、「女性の育児休業取得に否定的な人が多い」、「ハラスメント防止規定が制定されていない」、「子育てをしている従業員がいない/少ない」などにおいて、経験者の方が未経験者より回答割合が高く、その差が大きかった。

 

【問題】育児休業等ハラスメントの経験者と未経験者とで職場の特徴の回答を比較すると、「女性従業員は妊娠したら退職する傾向がある」、「男女問わず育児休業を取得後、復職せず退職する傾向がある」、「子育てをしている従業員がいない/少ない」、「男性の育児参画に否定的な人が多い」などにおいて、経験者の方が未経験者より回答割合が高く、その差が大きかった。

 

【問題】勤務先が予防・解決のための取組を行っているハラスメントの種類としては、パワハラが最も高く、次いでセクハラ、妊娠・出産・育児休業・介護休業等ハラスメントの順番であった。

 

【問題】勤務先がハラスメントの予防・解決のための取組を「積極的に取り組んでいる」と回答した者の方が、「あなた自身の働きやすさ」と「同じ職場の他の人の働きやすさ」が「改善された」の割合が高く、「あまり取り組んでいない」と回答した者では「悪化している」の割合が高かった。

 

労働者等調査結果のまとめ

○ 過去 3 年間に、パワハラ、セクハラおよび顧客等からの著しい迷惑行為を一度以上経験した者の割合は、それぞれ 31.4%10.2%15.0%であった。

 

○ 過去 5 年間に、女性の妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、妊娠・出産等に関する否定的な言動(いわゆるプレマタハラ)、男性の育児休業等ハラスメントを一度以上経験した者の割合は、それぞれ 26.3%17.1%26.2%であった。

 

20172019 年度卒業で就職活動又はインターンシップ(転職を除く)を経験した男女の中で、就活等セクハラを一度以上受けたと回答した者の割合は、25.5%であった。

 

○ パワハラ、セクハラ、顧客等からの著しい迷惑行為の経験有無・頻度を回答者による勤務先の取組評価(勤務先における各種ハラスメントの予防・解決に向けた取組の評価)別にみると、全てのハラスメントにおいて、勤務先が「積極的に取り組んでいる」と評価した者でハラスメントの経験割合が最も低く、「あまり取り組んでいない」と評価した者で最も高かった。

 

ハラスメントを知った後の勤務先の対応としては、パワハラでは「特に何もしなかった」(47.1%)、セクハラでは「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」(34.6%)、顧客等からの著しい迷惑行為では、「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」(48.6%)の割合が最も高かった。

 

○ 勤務先によるパワハラ、セクハラ行為の認定については、「ハラスメントがあったともなかったとも判断せずあいまいなままだった」(パワハラ 59.3%、セクハラ 40.2%)の割合が最も高かった。

 

○ ハラスメントの経験者と未経験者とで職場の特徴の回答を比較すると、パワハラでは、「上司と部下のコミュニケーションが少ない/ない」、「ハラスメント防止規定が制定されていない」、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」、「従業員間に冗談、おどかし、からかいが日常的に見られる」等の項目で、経験者の回答割合が未経験者より高く、その差が大きかった。

 

○ 同様にセクハラでは、「ハラスメント防止規定が制定されていない」、「従業員間の競争が激しい/個人業績との評価の連動が徹底している」、「従業員間に冗談、おどかし、からかいが日常的に見られる」等、顧客等からの著しい迷惑行為では、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」、「従業員間の競争が激しい/個人業績との評価の連動が徹底している」、「従業員間に冗談、おどかし、からかいが日常的に見られる」等の項目で、経験者の回答割合が未経験者より高く、その差が大きかった。

 

○ 妊娠・出産・育児休業等ハラスメントの経験者と未経験者とで職場の特徴の回答を比較すると、「女性の育児休業取得に否定的な人が多い」、「ハラスメント防止規定が制定されていない」、「子育てをしている従業員がいない/少ない」などにおいて、経験者の方が未経験者より回答割合が高く、その差が大きかった。また、育児休業等ハラスメントの経験者と未経験者とで職場の特徴の回答を比較すると、「女性従業員は妊娠したら退職する傾向がある」、「男女問わず育児休業を取得後、復職せず退職する傾向がある」、「子育てをしている従業員がいない/少ない」、「男性の育児参画に否定的な人が多い」などにおいて、経験者の方が未経験者より回答割合が高く、その差が大きかった。

 

○ 勤務先が予防・解決のための取組を行っているハラスメントの種類としては、パワハラが39.2%で最も高く、次いでセクハラが 36.2%、妊娠・出産・育児休業・介護休業等ハラスメントが 22.6%であった。

 

○ 勤務先がハラスメントの予防・解決のための取組を「積極的に取り組んでいる」と回答した者の方が、「あなた自身の働きやすさ」と「同じ職場の他の人の働きやすさ」が「改善された」の割合が高く、「あまり取り組んでいない」と回答した者では「悪化している」の割合が高かった。

 

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