年金科目(横断)子の加算額の減額事由3パターン 

回は、「子に関する加算の減額」の内容です。

子に関する加算は、

老齢厚生年金」障害基礎年金」「遺族基礎年金」の3つあり、子が一定の状態になった場合(3通り)減額改定されます。

文上は、「18歳年度末」「障害等級1級、2級」「20」というキーワードがあり、国民年金法と厚生年金保険法の条文の言い回しが異なりますが、内容は一緒です。

子が一定の状態になった場合(3通り)を解説していきます。

 

まず、条文を確認していきます。

 

■国民年金法33条の2 障害基礎年金の加算額の減額改定(子の場合)

18歳に達した日以後の最初の3月31が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。

障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31までの間にあるときを除く。

20に達したとき。

 

■国民年金法39条3項 遺族基礎年金の加算額の減額改定(子の場合)

18歳に達した日以後の最初の3月31が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。

障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31までの間にあるときを除く。

20に達したとき。

 

■厚生年金保険法44条4項 老齢厚生年金の加給年金額の減額(この場合)

子(障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある子を除く。)について、18歳に達した日以後の最初の3月31が終了したとき。

障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある子(18歳に達する日以後の最初の3月31までの間にある子を除く。)について、その事情がやんだとき。

③ 子が、20に達したとき。

 

 

まずから確認します。

18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。

ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。

 

上記は、18歳年度末、つまり高校を卒業したらその時点で加算対象者から外されます。

ただし、障害等級1、2級の場合は、加算対象のままになります。

 

次に②

障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき

ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く

 

障害等級に該当する障害の状態にある子」つまり、障害等級1・2級の者は、そのまま加算対象であることを指しています。

 

ただし、障害等級1・2級に該当しなくなった場合は、「その時点で、加算対象から外される」ということを、「その事情がやんだとき」という表現になっています。

(途中で3級になったら、その時点で終了。)

 

ただし書き以降の「その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。」とは、②に関しては、「18歳年末以降の内容」ということを明記しています。

 

最後に③

20歳に達したとき。

18歳年末以降、障害等級1・2級の者が、そのまま20歳に到達したら、「20歳到達時で加算対象から外れる」ということを記載しています。

の減額改定に関して、上記を踏まえて、令和元年の問題を確認すれば理解しやすくなります。(問9B

障害等級2級に該当する障害の状態にある子に遺族厚生年金の受給権が発生し、16歳のときに障害等級3級に該当する障害の状態になった場合は、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに当該受給権は消滅する。一方、障害等級2級に該当する障害の状態にある子に遺族厚生年金の受給権が発生し、19歳のときに障害等級3級に該当する障害の状態になった場合は、20 歳に達したときに当該受給権は消滅する。

 

前半は正解です。(に該当

18歳年度末時点では、障害等級3級なので、18歳到達時で終了です。

 

後半の論点が誤りです。(②に該当

 

19歳の時点で障害等級3級になったら、その時点で終了になるので、20歳までとする記述は誤りになります。

後に、遺族厚生年金の子又は孫の遺族厚生年金の受給権の消滅も考え方は同じです。

厚生年金保険法63条(遺族厚生年金の受給権の消滅)

子又は孫の有する遺族厚生年金の受給権は、次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。

子又は孫について、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、子又は孫が障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にあるときを除く。

② 障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある子又は孫について、その事情がやんだとき。ただし、子又は孫18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。

子又は孫が、20歳に達したとき。

 

 

考え方は、加給年金の子の減額の内容と同じです。

遺族厚生年金の受給権の消滅には、が含まれます。

                                  (了)