【やさしい国民年金 講義ノート】 №1 沿革

皆さんこんにちは。

それでは、国民年金法第1回目。沿革の勉強をしていきます。

 

沿革に関しては、厚生年金保険法や社会保険に関する一般常識とも重なるので、復習を兼ねて学習してください。

 

それでは、まず、国民年金法の給付に関して見ていきます。

 

国民年金の給付には、

老齢、障害、死亡の3つあります。

名称としては、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金。

 

給付に関しては、厚生年金保険法も国民年金法と同様に3つです。

 

ただし、厚生年金保険法では、名称が、

・老齢厚生年金

・障害厚生年金

・遺族厚生年金になり、要件や給付内容も異なります。

詳細は、厚生年金保険法で学習していきます。

 

話を戻して、「老齢」「障害」「遺族」ともに、所得補償ということになります。

 

つまり、老齢であれば、年を取ると定年退職し収入が途絶える。

障害であれば、障害の程度によって就労もできずに収入がない。

遺族であれば、 一家の大黒柱が亡くなり収入が途絶えてしまう。

 

基本的に給付の目的は、生活する為に必要な現金を給付するということです。

 

 それでは、いつから国民年金がスタートしたのかを見ていきます。

 

国民年金法は、ズバリ昭和34年4月に公布。

ちなみに、サラリーマンの為の厚生年金保険法は昭和17年6月。

 

この2つの年号は、しっかり頭に入れてください。

 

併せて、昭和34年11月から「福祉年金」である無拠出年金制度がスタート。

これは、高齢者や障害者、母子に対して、福祉的につまり国が給付の全額を負担する形でスターとしました。

無拠出とは、つまり保険料は不要という意味になります。

 

昭和34年当時スタートした国民年金は、このように加入者に保険料を負担させずにスタートしたため、つまり保険料を徴収してそれを原資にし給付する「保険」という制度を使用しなかったので、

国民年金法には、名称の中に「保険」という言葉がないのが理解できると思います。

 

先ほど、話した「福祉年金」ですが、4種類あります。

・老齢福祉年金

・障害福祉年金

・母子福祉年金

・準母子福祉年金

この4種類も覚えてください。

 

昭和34年にスタートした無拠出制の国民年金法でしたが、このまま福祉的に進めていくのは当然財政的にもしんどいので、

昭和36年4月から、無拠出制から拠出制に。

つまり、保険料を徴収する「保険」という制度に大きく切り替わり、これにより、現在の「国民皆年金制度」が実現されました。

 

 

その後、

昭和45年に付加年金制度の導入と国民年金基金の創設。

 

昭和48年、物価スライド制の導入。

昭和61年には

年金の大改革ということで、基礎年金を導入し、新法が施行。

 

特に、昭和61年4月1日は、国民年金法、厚生年金保険法、共済年金法含めて、年金を学習する上では、最も重要な年号になります。

 

つまり、昭和61年3月31日までを旧法 (旧制度)

昭和61年4月1日以後を新法(新制度)と称します。

 

旧制度までは、自営業者等のための国民年金。

サラリーマンのための厚生年金。

船員のための船員保険。

公務員等のための共済年金。

それぞれの年金制度が、給付の内容(金額や支給要件、支給開始年齢等)がバラバラ。

それを、昭和61年4月からは、自営業者等のみの加入であった国民年金を、全国民共通の基礎年金とし、縦割りであった制度を全て国民年金(基礎年金)をベースに(つまり、どの制度も国民年金に加入)再編成。

 

ただし、船員保険に関しては、新制度の際に厚生年金保険に統合されてしまったので現在は船員保険法の中には年金制度はありません。